「このまま定年まで今の仕事で大丈夫かな」「50代からでも食べていける資格って本当にあるのかな」と、モヤっとした不安を抱えながら検索しているあなたへ。50歳から食える資格を軸に、これからの働き方をどう組み立て直すかを、一緒に整理していきます。
ネットで調べると、50代の資格ランキングや50代女性向けの資格、50代主婦向けの資格、在宅ワーク向けの資格、在宅で取れる資格、未経験から挑戦できる資格、比較的簡単な資格、国家資格、副業に活かせる資格、通信講座で取れる資格など、いろいろな情報が出てきますよね。情報が多すぎて「結局、私にはどれがいいの？」となりやすいかなと思います。
しかも、「50代からはもう遅い」と書かれている記事もあれば、「今からでも十分間に合う」と書いてある記事もあって、何を信じればいいか余計にわからなくなりがちです。年齢のこと、体力のこと、家族のこと、お金のこと…いろいろな条件が重なってくる年代だからこそ、単純な「おすすめランキング」では決めきれないですよね。
この記事では、そうした情報を整理しつつ、50歳から食える資格をどう選ぶか、どんな順番で動くと現実的かを、できるだけわかりやすくまとめました。資格だけに頼るのではなく、「これからの働き方」全体の設計図も一緒に描いていくイメージです。
今の仕事を続けながら副業につながる資格を取りたい人も、思い切って転職や独立を考えたい人も、「どこから手を付ければいいか」が見えてくるはずです。完璧な答えを探すというより、「これなら自分でも一歩踏み出せそう」というヒントを拾っていってもらえたらうれしいです。肩の力を抜いて、気になるところから読んでみてくださいね。
この記事4つのポイント
50歳から食える資格の選び方と現実
ここでは、世の中でよく言われる「食える資格」をそのまま鵜呑みにするのではなく、50代だからこそ押さえておきたい現実と、資格ランキングの情報をどう読み解くかを整理していきます。なんとなく人気の資格を選ぶのではなく、「自分がどんな働き方をしたいか」から逆算していきましょう。ここをはっきりさせておくだけで、「選ぶのがツラい」状態から一歩抜け出しやすくなりますよ。
資格ランキングで見る定番資格
まずは、いわゆる「定番の食える資格」から整理しておきます。50代から食べていける資格としてよく名前が挙がるのは、宅地建物取引士、行政書士、社会保険労務士、中小企業診断士、介護福祉士、ファイナンシャルプランナー（FP）、電気工事士などのジャンルです。これらは求人や独立の需要が一定数あり、かつ「専門性がある」というイメージを持たれやすいので、ランキングでも上位に出てきやすいですね。
ただ、ここで大事なのは「人気がある＝あなたに向いている」とは限らない、というところです。たとえば宅地建物取引士は不動産業界では重宝されますが、そもそも不動産営業に興味がなかったり、歩合制の世界が苦手だったりすると、資格を取っても活かしづらいかもしれません。逆に、中小企業診断士は勉強内容が幅広く、知的好奇心は満たされますが、合格までの学習時間がかなり多く、50代から挑戦するなら中長期の計画が必要です。
さらに、ファイナンシャルプランナーや簿記などは、資格単体で高収入になるというより、今の仕事＋αとして活かしたり、副業・独立の土台として使ったりするケースが多いです。「この資格を取ればすぐ年収アップ」ではなく、「この資格を取ると、こういう選択肢が増える」という視点で見ると、ランキング情報との付き合い方が変わってくると思います。
ランキングを見るときのポイント
行政書士や社会保険労務士、中小企業診断士といった士業は、定年がなく長く働ける一方で、合格までに数年かかるケースもあります。また、資格を取ったあとに、顧客を見つけるための営業や、人脈づくり、実務経験の習得が必要になるので、「合格＝すぐ食べていける」ではない点は押さえておきたいところです。
一方で、医療事務や調剤薬局事務、登録販売者、介護福祉士、FPなどは、比較的求人が多く、50代からでも求人を見つけやすいエリアが多い印象です。とはいえ、地方か都市部か、フルタイムかパートかなど条件によって状況が変わるので、必ずあなたの住んでいるエリアの求人をチェックして、時給や勤務時間の相場を確認しておくと安心ですよ。
ランキング情報は「ヒント」として扱う
資格ランキングは、「今どんな資格が人気か」をざっくりつかむのには便利です。ただ、それはあくまで「世の中全体の傾向」であって、「あなた個人にとってベストな資格」を教えてくれるものではありません。ここを勘違いしてしまうと、「みんなが勧めるから」という理由だけで資格を選んでしまい、後から「自分にはあまり合わなかった…」となりがちです。
大事なのは、ランキングに載っている資格を見たときに、「自分の得意・不得意」「今までの職歴」「これからの生活スタイル」と照らし合わせて、本当に相性が良さそうかを考えることです。たとえば、数字を見るのが苦手なのに、簿記やFPを選ぶと、勉強そのものがストレスになってしまうかもしれません。一方で、人と話すのが好きで、話を聞くのも得意なら、FPやキャリア系の資格は向いている可能性が高いです。
ランキングは「入口」であって「ゴール」ではありません。気になる資格をリストアップしたら、必ず公式サイトやテキストの目次、合格者の声などをチェックして、「自分がこの内容を勉強している姿」がイメージできるかどうかを確認してみてください。
資格ジャンルを3つに分けて考える
私がおすすめしているのは、50歳から食える資格を次の3つに分けて考えることです。この切り分けをしておくと、「自分はどの方向を目指したいか」が整理されて、資格選びがぐっとラクになりますよ。
| ジャンル | 代表的な資格 | 向いている人のタイプ |
|---|---|---|
| 安定系 | 医療事務・介護職・登録販売者など | 地域で安定して働きたい、人の役に立つ実感が欲しい |
| 独立系 | 行政書士・社労士・中小企業診断士・FPなど | 自分の看板で仕事をしたい、専門家として相談を受けたい |
| 在宅・フリー系 | Webライター・デザイナー・CADオペレーターなど | 通勤を減らしたい、時間と場所の自由度を高めたい |
この3つのどれを軸にするかで、選ぶ資格も勉強のペースも変わってきます。「ランキングで上位だから」ではなく、「自分はどの方向で食べていきたいのか」から考えるのが、50代からは特に大事になってきます。なんとなくでも「今は安定系がいいかな」「将来的には独立系も視野に入れたいな」など、方向性を決めておくと、その後の行動も一貫してきますよ。
50代の資格で狙う医療介護
次に、50代からでも入りやすく、求人需要も比較的安定している医療・介護系の資格を見ていきます。ここは、いわゆる「食える資格」の中でも、現実的に仕事に結びつきやすいジャンルです。年齢よりも人柄やコミュニケーション力、まじめさが評価されやすく、50代からの転職事例も多い分野ですね。
代表的な医療・介護系資格
代表的な資格としては、以下のようなものがあります。
- 医療事務・調剤薬局事務などの医療系事務資格
- 登録販売者（ドラッグストアなどで医薬品販売に関わる資格）
- 介護職員初任者研修・実務者研修・介護福祉士などの介護系資格
医療事務・調剤薬局事務は、病院やクリニック、薬局の受付・会計・レセプト業務などを担当する仕事です。パート求人も多く、子育てが一段落した50代女性が再就職先として選ぶケースもよく見かけます。登録販売者は、ドラッグストアで一般用医薬品（第二類・第三類）の販売に関われる資格で、シフト制のパート・アルバイトからフルタイムまで働き方が選べることが多いです。
介護系資格は、身体介護や生活支援など、利用者さんと直接関わる仕事が中心になります。介護職員初任者研修は、まさに「介護の入口」として位置づけられていて、50代から取得して現場に入る人もたくさんいます。その後、実務者研修→介護福祉士とステップアップしていくことで、任される仕事の幅や収入が少しずつ広がっていくイメージです。
これらは、未経験でも挑戦しやすく、パートや派遣、正社員まで働き方の幅があるのがポイントです。また、医療機関や介護施設、ドラッグストアなど、全国どこにでも職場があるため、引っ越しや家族の都合があっても仕事を探しやすい傾向があります。「どこにいても仕事を見つけやすい」という意味では、50代からの安心感につながるジャンルだと思います。
医療介護系の注意ポイント
仕事内容や勤務条件は職場によってかなり違うため、求人票だけで判断せず、見学や面接時に具体的に確認するのがおすすめです。「1日の流れは？」「残業はどのくらい？」「シフトの希望はどの程度通る？」など、気になることは遠慮なく聞いてOKですよ。
医療・介護系は「人の役に立っている実感」を得やすい仕事でもあります。ありがとうと直接言ってもらえる機会も多く、「自分の存在が誰かの役に立っている」と感じたい人にはぴったりです。自分や家族の介護にも知識が活きるので、50代以降のライフプランとの相性がいい人も多いジャンルですよ。
短期間で取れる資格と難易度
「あまり勉強の習慣がない」「まずは小さく成功体験が欲しい」という場合は、短期間で取れる資格からスタートするのもアリです。とはいえ、短期間で取れる＝誰でも余裕というわけではなく、ある程度の勉強時間と計画は必要になります。「短期間で取れる」という言葉を過信しすぎず、現実的な難易度も一緒に見ていくのが大事ですね。
数カ月〜1年以内を目安にできる資格
一般的に、次のような資格は、数カ月〜1年程度を目安に学習計画を立てることが多いです（あくまで目安です）。
簿記3級は、商業高校出身の人なら比較的取りやすいと言われますが、初めて会計の世界に触れる人にとっては、最初は仕訳でつまずくことも多いです。ただ、テキストや動画講義が充実しているので、「毎日コツコツ」スタイルで進めれば、50代からでも十分狙えるレベルです。FP3級も、日常生活で聞いたことのある用語が多く、「自分の家計に置き換えながら学べる」点でモチベーションを保ちやすい資格ですね。
登録販売者は、医薬品の基本知識や関連法規などを学ぶ必要がありますが、合格率は極端に低いわけではなく、独学＋過去問演習で合格している人もかなりいます。医療事務の民間資格も、テキストベースで数カ月〜半年ほどのカリキュラムが多く、通信講座を使えばスケジュールが組みやすいのがメリットです。
「短期間で取れるかどうか」は、勉強に使える時間と、これまでの経験によっても大きく変わります。平日1〜2時間＋週末数時間取れる人と、週末しか時間を取れない人では、同じ資格でも必要な月数が変わるのは自然なことです。自分の生活リズムを正直に見直して、「無理なく続けられるペース」を基準に計画を立ててみてください。
短期合格を狙うときのコツ
短期合格を狙うなら、テキスト選びよりも、「いつ・どこで・どのくらい」勉強するかを先に決めるのがコツです。テキストは後からでも変えられますが、時間の使い方のクセはなかなか変わりません。だからこそ、「勉強時間のブロック」を先にカレンダーに入れてしまうイメージが大事です。
- 平日の朝・通勤時間・昼休み・夜など「固定の勉強枠」を先に確保する
- テキストは1〜2冊に絞り、「完璧より回転数」を意識する
- 過去問や問題集を通して「出題パターンに慣れる」ことを優先する
- わからないところに固執しすぎず、いったん飛ばして後で戻るクセをつける
50代からの勉強は、20代の頃のように一気に詰め込むのではなく、少しずつでも「続けられる形」を作ることが一番のポイントです。「今日は10分しかできなかった…」ではなく、「10分でもテキストを開いた自分、えらい」と思ってあげるくらいがちょうどいいですよ。
50代向け簡単資格と学び直し
「いきなり難易度の高い国家資格はハードルが高い…」という場合は、比較的簡単な資格からスタートして、勉強のペースをつかむのもおすすめです。ここでいう「簡単」というのは、「努力しなくても取れる」という意味ではなく、「内容がイメージしやすく、生活や仕事とのつながりを感じやすい」というニュアンスだと思ってもらえるとしっくりくるかなと思います。
勉強再開のウォーミングアップになる資格
たとえば、次のような資格・講座は、50代の学び直しの入口として選ばれやすいです。
- 実用ボールペン字、文章講座などの「書く系」講座
- ビジネスマナー検定、コミュニケーション系の資格
- 色彩検定や整理収納関連など、生活に近いテーマの資格
- 健康・食生活アドバイザーなど、日常とつながる資格
これらは直接「食える資格」とは言いにくい面もありますが、勉強の習慣づくりと「ちゃんと修了できた」という成功体験を得るのにとても向いています。いきなり難関国家資格に挑戦して挫折してしまうより、「まずはこの講座を修了してみる」「次に少しレベルを上げてみる」とステップを踏んだほうが、結果的に長く続けられることが多いです。
また、整理収納や色彩検定などは、在宅ワークやフリーランスとしての仕事につながる可能性もあります。収納アドバイザーとして訪問サービスを始めたり、カラーの知識を活かしてファッションやインテリアの提案をしたりと、「仕事のタネ」になりやすい分野でもあります。
学び直しで意識したいこと
50代からの学び直しでは、「何のために資格を取るのか」をはっきりさせておくことが大事です。ここがあいまいだと、疲れたときや忙しくなったときに、「まあ、いっか」と勉強を中断してしまいやすくなります。目的が言葉になっていると、「この資格は今の自分の目的に合っているか？」を冷静に判断しやすくなります。
学び直しの目的を言葉にしてみる
- 今の仕事の延長で、選択肢を増やしたいのか
- まったく新しい分野にチャレンジしたいのか
- 定年後のパート・副業の選択肢を増やしたいのか
- 自分の興味・好きを深めておきたいのか
紙やノートに「私が資格を取りたいのは、〇〇だから」と書き出してみるのもおすすめです。文章にすることで、自分の本音が見えてきますし、迷ったときに立ち戻る「軸」にもなってくれます。
また、50代からの学び直しでは、「完璧主義を手放す」こともすごく大事です。全部を理解してから次に進むのではなく、「なんとなく7割わかったら先に進む」くらいの感覚でOKです。テキストも問題集も、1周目はざっと全体像をつかむつもりで、2周目・3周目で理解を深めていくイメージで取り組んでみてください。
通信講座資格で始める50代転職
50代から資格に挑戦する場合、通信講座をうまく活用するかどうかで、勉強の続けやすさがかなり変わってきます。特に仕事や家事と両立しながら勉強したい人にとっては、通信講座は心強い味方です。通学の時間がいらないのはもちろん、「何をどの順番で学べばいいか」を決めてくれているのが、精神的にもラクなんですよね。
通信講座のメリット・デメリット
メリットとしては、次のような点があります。
一方で、デメリットとしては、自己管理が必要であること、講座によって質に差があることが挙げられます。カリキュラムやサポート内容、合格実績などを必ずチェックし、「自分が続けられそうか」を基準に選ぶのがおすすめです。また、動画講義が中心なのか、テキスト中心なのか、添削の頻度はどのくらいかなど、あなたの学び方のスタイルと合っているかも大事なポイントです。
通信講座を選ぶときは、資料請求や無料動画をチェックして、講師の話し方やテキストの読みやすさなど、「自分がこの教材と何カ月も付き合えるか？」という感覚を大事にしてみてください。合格実績だけで決めるより、結果的に続けやすいことが多いです。
通信講座の選び方については、在宅で資格取得を目指せるスクールを詳しく解説した諒設計アーキテクトラーニングの口コミ・評判解説記事も参考になると思います。
通信講座の受講料やカリキュラム内容は、講座や時期によって変動します。正確な情報は公式サイトをご確認ください。また、高額な講座を検討する場合は、教育ローンや家計全体の影響も踏まえて、最終的な判断は専門家にご相談ください。特に50代からの受講では、受講料の回収期間も意識しておくと安心です。
50歳から食える資格で叶える働き方
ここからは、「どんな資格を取るか」だけでなく、「その資格でどんな働き方を叶えたいか」にフォーカスしていきます。50代女性向けの資格や50代主婦向けの資格、在宅ワーク向けの資格など、ライフスタイルに合わせた選び方の視点を整理してみましょう。「資格選び＝働き方選び」くらいの感覚で読んでもらえるとしっくり来るかなと思います。
50代女性向け資格で再就職
50代女性の再就職でよく話題になるのが、医療事務、調剤薬局事務、登録販売者、介護職、事務＋αのスキルなどです。これらは「未経験からチャレンジしやすい」「パート求人が多い」「年齢よりも人柄が評価されやすい」という特徴があり、ブランクがある人でも入りやすい分野と言われています。
「続けやすさ」を最優先に考える
50代女性の場合、体力、家族の予定、親の介護など、仕事以外の要素も大きくなりがちです。そのため、資格選びでは「資格名のイメージ」よりも、次のポイントを優先したほうが現実的です。
- 週何日・1日何時間なら無理なく働けそうか
- 通勤時間を含めて、家事・介護との両立ができるか
- 人と関わる仕事が好きか、裏方が向いているか
- シフト制なのか、固定時間なのか
たとえば、人と話すのが苦にならないタイプなら、登録販売者や介護職など接客・現場系が向いているかもしれません。利用者さんやお客さまと会話しながら進める仕事なので、「誰かの役に立っている実感」が得られやすいです。逆に、人と話すよりもコツコツ作業が好きなら、医療事務や一般事務＋簿記・FPなどの組み合わせが相性がいいことも多いです。
「この資格を取ったらこういう働き方ができる」というイメージを具体的にするために、求人サイトで実際の求人票をチェックするのがおすすめです。時給や勤務日数、シフト条件、残業の有無などを見ながら、「自分ならここで働けそうか？」と考えてみてください。資格の勉強と同じくらい、「求人を見る習慣」をつけておくと、再就職のイメージがどんどんリアルになってきますよ。
また、50代女性の再就職では、「いきなりベストな職場を当てにいく」のではなく、「まずは条件7割OKの職場で経験を積む」という発想も大事です。そこで経験や人脈を増やしてから、より条件の良い職場に移るというステップを踏んでいる人も多いので、「最初の一社で全部決めない」と思っておくと気持ちがラクになります。
50代主婦向け資格と両立術
50代主婦の場合、「家事・夫・親のケア・地域の役割」など、目に見えないタスクがとても多いですよね。その中で資格の勉強や仕事を両立するには、「全部を完璧にやろうとしない」工夫が鍵になります。主婦はどうしても「自分のことは後回し」にしがちですが、資格取得や再就職を本気で考えるなら、自分の時間をちゃんと確保することがとても大事です。
主婦が選びやすい資格の傾向
50代主婦向けの資格としては、次のような傾向があります。
整理収納系の資格は、自宅の片づけにも直結するので、「勉強がそのまま生活の改善になる」というメリットもあります。また、食に関する資格は、家族の健康管理にも活かしやすく、ブログやSNSでの発信と掛け合わせることで、仕事につながる可能性もあります。医療・介護・販売系資格は、近所の病院や施設、ドラッグストアなどでパート求人が見つかりやすいので、「通勤時間をできるだけ短くしたい」という主婦には特におすすめです。
両立のための時間管理のコツ
両立でおすすめなのは、「勉強の時間を家事の一部としてスケジュールに入れてしまう」ことです。「時間が空いたら勉強しよう」だと、いつまでたっても時間は空きません。先に「勉強ありき」で予定を決めて、その周りに家事や用事をはめ込んでいくイメージのほうが、結果的にうまく回りやすいです。
両立しやすい時間の取り方
- 朝の30分を「勉強タイム」と決めてしまう
- 夕食後すぐは家事に集中し、そのあと30分だけテキストを開く
- 土曜日の午前中を「週の振り返り＆問題演習」に使う
- 日曜日はあえて勉強オフにして、メリハリをつける
「毎日3時間」よりも、「毎日30分〜1時間をコツコツ続ける」ほうが、長期的には圧倒的に成果が出やすいです。家族に「この時間だけは勉強させてね」と宣言しておくと、協力も得やすくなりますし、あなた自身も「ここは自分の時間」と意識しやすくなりますよ。
在宅ワーク向け資格と副業例
「通勤はもうしんどい」「親の介護で家を空けづらい」という場合は、在宅ワークにつながりやすい資格やスキルを軸に考えるのも選択肢です。最近は副業OKの会社も増えてきているので、在宅ワークを「いきなり本業」にするのではなく、「小さく副業として試してみる」スタートも現実的になってきました。
在宅ワークと相性の良い資格・スキル
在宅で仕事をしやすい代表的なスキルには、次のようなものがあります。
たとえば、CADオペレーターは在宅案件も出てきており、50代からCADを学んで転職や副業につなげている人もいます。CADについては、学習法や転職のポイントをまとめた50代からCADを始めるガイド記事もチェックしてみてください。
Webライターは、資格が必須というわけではありませんが、SEO検定やWebライティングの講座を受けておくと、仕事を受けるときの信頼感につながりやすいです。簿記やFPの資格があれば、「お金に強いライター」として差別化することもできます。
在宅ワークで押さえておきたい現実
在宅ワークは自由度が高い反面、「仕事を取る力」や「自己管理の力」がより重要になります。職場に行けば仕事が与えられるわけではなく、自分で仕事を探し、提案し、納期までにきちんと仕上げる必要があります。
そのため、「完全在宅で一本化」ではなく、最初はパート＋在宅副業という形で試してみるのも現実的なやり方です。まずは月数千円〜数万円の副収入からスタートし、仕事の感覚をつかんでから、徐々に在宅の比率を増やしていくイメージですね。
在宅ワークを始めるときは、「いきなり完璧なポートフォリオを作る」よりも、「小さな仕事でいいので、まず1件受けてみる」ことを目標にしてみてください。1件こなすと、流れが見えてきて、2件目・3件目のハードルがぐっと下がります。
50代資格の現実収入と将来性
ここが一番気になるところだと思いますが、資格を取れば必ず収入が上がるわけではない、という現実は正直にお伝えしておきたい部分です。資格はあくまで「スタートラインに立つためのチケット」のようなもので、その先の収入は、業界の状況や働き方、あなた自身の動き方によって大きく変わってきます。
「資格だけ」では食べていけないことも多い
たとえば、行政書士や社労士、中小企業診断士などの難関資格でも、開業した人すべてが安定した収入を得ているわけではありません。営業が得意な人、これまでの人脈をうまく活かせる人、前職の経験と掛け合わせられる人など、いろいろな要素がからんできます。資格スクールのパンフレットに載っている「成功事例」はもちろん嘘ではありませんが、それはあくまで一部の事例だという前提で読んだほうがいいかなと思います。
医療事務や介護職、登録販売者なども同様で、地域・雇用形態・経験年数によって、収入レンジはかなり変わるのが実情です。都市部でフルタイム勤務ならそこそこ安定した収入になる一方で、地方のパート勤務だと、「家計の足しにはなるけれど、世帯収入のメインにはなりにくい」というケースもあります。
将来性は「資格＋スキル＋経験」で見る
50代からの将来性を考えるときは、資格単体ではなく、「資格＋スキル＋経験」のセットで考えるのがポイントです。これは、今後の人口構造や働き方の変化を考えると、ますます重要になってくる視点だと思います。
将来性を高める3つの掛け算
- 資格 × これまでの職歴（業界知識・人脈）
- 資格 × ITスキル（PC操作、オンラインツールの活用など）
- 資格 × 発信力（ブログ、SNS、セミナーなど）
たとえば、「経理経験＋簿記＋FP」なら、中小企業のバックオフィス全般を任せられる存在として重宝されます。「営業経験＋FP＋Webライティング」なら、金融系のコンテンツ制作やコラム執筆の仕事につなげやすいです。「介護経験＋介護資格＋家族介護のリアルな体験談」なら、介護現場と家族の橋渡し役として、講座やオンラインサロンなどの形で活動している人もいます。
日本全体の雇用や賃金の傾向を知っておくと、「資格にどこまで期待していいのか」「どんな組み合わせを目指すと現実的か」のイメージもつかみやすくなります。たとえば、総務省統計局の労働力調査では、年齢階級別の就業状況や非正規雇用の割合などが公開されています。こうした一次データを眺めてみると、「自分の世代が置かれている現実」を数字の面からも確認できますよ。（出典：総務省統計局「労働力調査」）
収入や将来性に関する情報は、統計や求人、個人の事例などをもとにした一般的な目安にすぎません。実際の条件は会社や地域、景気動向によって変動します。正確な情報は公式サイトや最新の求人情報をご確認ください。キャリアチェンジや独立など大きな決断をする際は、最終的な判断は専門家にご相談ください。特に年金や退職金、社会保険の扱いなどライフプランに関わる部分は、ファイナンシャルプランナーや社会保険労務士など専門家の意見をもらいながら進めたほうが安心です。
50歳から食える資格と50代資格のまとめ
ここまで、50歳から食える資格の選び方や、医療介護系・在宅ワーク系・独立系など、いろいろなパターンを見てきました。情報量が多かったと思うので、最後に、大事なポイントをシンプルにまとめておきます。
50歳から食える資格を探していると、「どの資格が一番得か」「どれが一番稼げるか」に意識が向きがちです。ただ、実際に人生を変えていくのは、資格そのものよりも、その資格を使ってどんな働き方を作るかという部分なんですよね。資格はあくまで道具であって、主役はいつも「あなた自身」です。
もし今、「自分には何もない」と感じていても、これまでの仕事や家事、子育て、介護の経験は、ちゃんと強みになります。そこに50歳から食える資格を少しずつ掛け合わせていけば、今とは違う景色が見えてくるはずです。最初から完璧な組み合わせを見つけようとせず、「まずは気になる資格を1つ選んで、情報を集めてみる」「資料請求をしてみる」「無料講座を1本だけ見てみる」など、小さな一歩で十分です。
いきなり完璧な答えを出そうとしなくて大丈夫です。まずは「気になる資格を1つ決めて、今日できる小さな一歩を踏み出す」ことから始めてみてくださいね。その一歩が、数カ月後・数年後のあなたの仕事不安を、少しずつ軽くしてくれるはずです。
