年間休日120日義務化はいつからなのか、本当に法律で決まるのか、今の年間休日105日や110日と比べて自分の会社はブラックなのか…そんなモヤモヤを抱えながら検索して、このページにたどり着いたあなたも多いはずです。年間休日120日スタンダードという言葉や、年間休日120日はホワイト企業の条件といった情報もあって、何を信じていいか分かりにくいですよね。
実際には、年間休日120日義務化は現時点でまだ法律として決まっていません。一方で、年間休日110日や年間休日120日、年間休日125日といった水準は、転職市場ではかなり重要な指標になっていますし、2026年以降の労働基準法改正の議論では、勤務間インターバル制度など、年間休日の数よりも休み方の質を変えていく流れが強くなっています。年間休日120日有給込みという求人の書き方もあれば、年間休日120日残業多めという実態もあって、本当にチェックすべきポイントは数字だけではないんですよね。
私は前職で、中小企業から大企業まで年間休日制度の設計や就業規則の見直し、求人票のチェックに関わってきた労務コンサルタントとして、そして転職相談に乗るキャリアアドバイザーとして、年間休日120日義務化いつから問題に悩む方の話をたくさん聞いてきました。このページでは、年間休日120日義務化の真相、年間休日105日や110日との違い、そして2026年の法改正で現実的に何が変わるのかを、できるだけ分かりやすく整理していきます。ここでお伝えする数値や制度の内容は、あくまで最新公表データや報道を踏まえた一般的な目安なので、最終的な細かい条件は公式サイトや専門家の説明も一緒に確認してもらえると安心かなと思います。
「今の働き方のままで、この先も大丈夫かな」「転職するなら年間休日120日は欲しいけど、現実的なのかな」と不安になるタイミングもあると思います。この記事は、そうした不安をできるだけ言語化しながら、一緒に整理していくイメージで書いています。途中で「ここは自分の会社にも当てはまりそう」と感じるところがあれば、メモしながら読み進めてもらえると、後で具体的に動くときにも役立つはずです。
この記事4つのポイント
年間休日120日の義務化の真相

ここでは、まず「法律上どこまでが最低ラインなのか」と「世の中の平均や年間休日120日基準の意味」を整理しつつ、求人を見るときのベースの物差しを整えていきます。自分の今の環境が平均と比べてどうなのか、そして転職先を選ぶときに何を軸にすればいいのかを、ゆっくり見ていきましょう。
年間休日の平均と120日基準
日本の年間休日の最新平均値
そもそも年間休日とは、会社が1年間のカレンダーで「最初から出勤しなくてよい日」として決めた日数のことです。ここには土日・祝日だけでなく、年末年始や夏季休暇、会社独自の記念日休暇などが含まれます。一方で、年次有給休暇は「本来は出勤日だけれど、あなたの権利として休める日」なので、法律上はまったく別枠で扱われます。ここを混同すると、求人票の数字を見誤ってしまうので注意ポイントですよ。
厚生労働省の「就労条件総合調査」の最新結果を見ると、令和7年調査(対象は令和6年の状況)における1企業あたりの平均年間休日数はおよそ112.4日、労働者1人あたりの平均年間休日数は116.6日という水準になっています。企業規模別に見ると、従業員1,000人以上の大企業では平均117日前後、30〜99人規模の中小企業では111日前後といった形で、会社の規模によって少し差が出ているのも特徴です。(出典:厚生労働省『就労条件総合調査:結果の概要』)
この数字をざっくり整理すると、「日本の企業の平均的な年間休日は110〜115日くらい」というイメージになります。なので、求人票で年間休日120日という数字を見たときは、「平均よりちょっと休みが多めだな」という感覚で捉えてもらうと分かりやすいかなと思います。
年間休日120日が示す生活イメージ
次に、年間休日120日という数字が、生活リズムにどんな影響を与えるのかもイメージしてみましょう。1年は365日なので、年間休日120日ということは、年間の出勤日が245日くらいになります。週平均に直すと、ほぼ「土日祝休み+年末年始・夏季休暇」がきちんとある状態で、カレンダーどおりに休める会社が多いイメージです。
この水準だと、ゴールデンウィーク・お盆・年末年始にしっかり連休が取れるパターンが増えます。さらに有給をうまく組み合わせると、年に数回「9連休」「10連休」を作ることもそんなに難しくありません。旅行が好きな人や、資格勉強・副業などに時間を使いたい人にとっては、かなり動きやすい環境と言えます。
一方で、年間休日120日だけを見て飛びついてしまうと、「実は祝日出勤が多くて、別の日にうまく振り替えられていない」「カレンダー上の休日は多いけれど、残業が多すぎて結局疲れが取れない」といったギャップに悩むケースもあります。なので、年間休日120日は“条件の良さのサイン”ではあるけれど、それだけでホワイト確定ではない、くらいのイメージで考えておくと、冷静に求人を見やすくなりますよ。
私の現場感覚でいうと、首都圏のホワイトカラー職種では「年間休日120日前後+有給が毎年10日以上は取れる」会社が、いわゆる人気ゾーンになっています。一方で、地方の中小企業やサービス業だと、年間休日110日前後でなんとか維持しているところも多く、同じ「日本の会社」と言っても、業種・地域・規模でかなり差があるのがリアルなところです。
年間休日105日最低ライン解説
「105日」がよく出てくる理由
では、なぜ転職サイトやSNSで「年間休日105日は最低ライン」という話がよく出てくるのでしょうか。ここでカギになるのが、労働基準法第32条に書かれている「1日8時間・1週40時間」という法定労働時間の枠組みです。フルタイム正社員の働き方を設計するときは、まずこの枠の中におさまるようにカレンダーを組み立てていくのが基本になります。
1日8時間労働を前提に、1週間の労働時間を40時間に抑えようとすると、単純計算では「週5日勤務+2日休み」が一番分かりやすい形です。1年は約52週なので、52週×2日=104日の休日がまず出てきます。ここに、暦のズレや年間の調整を加味すると、「だいたい105日前後」がキリのいいラインとして使われることが多くなり、そこから「年間休日105日=フルタイムで最低限ほしいライン」という言い方が広がっているわけですね。
105日を割り込むと即アウトではない
ただ、ここでよくある誤解が、「年間休日105日を下回った瞬間に違法になる」という考え方です。実際には、年間休日が105日より少なくても、所定労働時間や変形労働時間制の組み方によっては、法律上問題のないケースもあります。例えば、1日の所定労働時間を7.5時間にしている会社であれば、年間休日が少し少なくても、週40時間の枠におさまっている可能性があります。
逆に、年間休日が105日であっても、残業が常に多くて毎月40〜50時間オーバーしていたり、休日出勤が恒常化していたりすると、トータルの労働時間はかなりハードです。過労死ラインとされる「時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満・2〜6か月平均で80時間以内」という基準を超えれば、健康リスクも一気に高まります。
つまり、「年間休日105日だから安全」「105日に届いていないから危険」といった単純な二択では判断できないということです。大事なのは、年間休日・1日の所定労働時間・残業時間・休日出勤の頻度をセットで見て、あなたの心と体がちゃんと休めているかどうかを確認することなんですよね。
自分の会社をざっくりチェックするコツ
今の会社の状態をざっくり把握したい場合、次のような手順で紙に書き出してみると、状況が見えやすくなります。
- 就業規則や雇用契約書を見て、年間休日数と所定労働時間(1日・1週)を確認する
- 直近3〜6か月の残業時間・休日出勤の日数を、自分の手帳や勤怠システムから書き出す
- トータルの拘束時間(所定+残業+通勤)をざっくり計算してみる
そこで「どう考えても長すぎるな…」と感じたら、まずは社内の上長や人事に相談してみるのがおすすめです。それでも改善が見込めそうにない場合は、労働基準監督署の相談コーナーや、社会保険労務士・弁護士といった専門家に話を聞いてもらうのも一つの選択肢です。ここでお伝えしている話はあくまで一般的な目安なので、最終的な判断は必ず専門家に委ねてもらえればと思います。
年間休日110日120日125日比較
数字ごとのざっくりイメージ
次に、求人票でよく見かける「年間休日110日」「年間休日120日」「年間休日125日」を、もう少し生活イメージに落とし込んで比較してみましょう。同じフルタイム正社員でも、このあたりの数字の違いで、週ごとのリズムや1年のメリハリがけっこう変わってきます。
| 年間休日 | よくある内訳イメージ | 生活リズムのざっくり感覚 |
|---|---|---|
| 110日前後 | 土日休み+一部祝日出勤/長期休暇はやや短め | 「カレンダーより少し少ない」感覚。繁忙期の土曜出勤が時々ある業界に多い |
| 120日前後 | 完全週休2日+祝日+年末年始・夏季休暇 | いわゆる「土日祝+長期休暇」。旅行や学び直しの予定も立てやすい |
| 125日前後 | 120日に加えて、会社独自の休暇(リフレッシュ休暇など)が追加 | かなり余裕のある水準。繁忙期の負荷が高い専門職などで見られる |
110日ゾーンのリアル
年間休日110日前後の会社は、サービス業や小売業、製造業の一部など「土日祝フルには休めないけれど、できるだけ休みを確保したい」業界に多いです。例えば、祝日は基本営業だけれど、その分を平日に振り替えているパターンや、年末年始・お盆休みが少し短めになっているパターンなどですね。
このゾーンでも、残業が少なくて有給が取りやすい会社なら、実際の生活満足度はかなり高くなります。逆に、年間休日110日かつ残業多め・シフトも固定しづらい…という条件が重なると、かなりハードな毎日になりやすいです。同じ110日でも、「どういう内訳で110日になっているか」で体感はかなり変わるので、求人を見るときは内訳をしっかりチェックしてみてください。
120日・125日ゾーンの違い
年間休日120日前後の会社は、カレンダーどおりの土日祝休みに、年末年始と夏季休暇をちゃんと乗せているイメージです。オフィスワーク系の職種や、情報通信・金融・専門サービスなどのホワイトカラー業種でよく見られます。このゾーンに入ってくると、「家族行事や友達との予定が合わせやすい」「長期旅行に行きやすい」といったメリットを感じやすいかなと思います。
さらにそこから年間休日125日前後になってくると、リフレッシュ休暇やアニバーサリー休暇、勤続年数に応じた連続休暇など、会社独自の休みが上乗せされていることが多いです。こういった休暇は、メンタル面のリセットや自己投資の時間づくりにもつながるので、「長く働き続けてもらうこと」を意識して制度を整えている会社が多い印象です。
とはいえ、どのゾーンにも「数字は良いけれど運用がイマイチ」「数字はそこそこだけど現場の裁量が高くて働きやすい」といった会社が混ざっています。結局のところ、年間休日110日・120日・125日という数字は、「候補を絞るためのフィルター」として使いつつ、面接や口コミなどで中身を確認していくのが現実的なアプローチかなと思います。
年間休日と有給込みの注意点

年間休日と有給は別物だと理解する
ここは本当にトラブルが多いポイントです。改めて整理すると、年間休日=会社が最初から出勤義務を課していない日であり、年次有給休暇=本来は出勤日だけれど、給料をもらったまま休めるあなたの権利です。この2つは法律上もコンセプトもまったく別物で、年間休日の数字の中に有給休暇の日数を紛れ込ませるのはかなりグレーなやり方です。
ところが現場では、「年間休日120日(うち有給5日含む)」のような説明が、口頭レベルでされてしまうケースがあります。求人票にハッキリ書いてしまうと指摘されやすいので、面接時の会話の中でサラッと「うちは年間休日120日で、有給も含めると…」みたいな言い方をされるパターンですね。ここは、聞いている側が冷静にツッコミを入れないと、そのまま流れてしまいやすいポイントです。
「有給込み」の求人を見分けるコツ
年間休日と有給込みを混同していないかを見分けるには、求人票と会社説明の両方をチェックするのがコツです。具体的には、次のような点を確認してみてください。
もし説明を聞いていて「ん?」と感じたら、その場で遠慮なく「この年間休日の数字には有給は含まれていますか? それとも別ですか?」と確認してOKです。ここをサラッと流してしまうと、入社後に「思っていたより休みが少ない…」というギャップにつながりやすいので、むしろちゃんと確認してくれる人のほうが、採用担当から見ても信頼感があるケースが多いですよ。
法律的には、会社は年5日の有給休暇を確実に取得させる義務がありますが、これは「年間休日を水増しするための5日」ではなく、「あなたが自分のタイミングで休める5日」です。有給を“最初から決められた休日扱い”にしてしまうのは、制度の趣旨から見ても本末転倒なんですよね。
トラブルを感じたときの動き方
もし入社後に、「求人票の書き方と実態が違う」「有給が事実上、年間休日の一部として固定されている」と感じたら、まずは社内での対話からスタートするのがおすすめです。具体的には、人事担当者や直属の上長に、「求人票ではこう説明されていましたが、実際にはこうですよね」と事実ベースで確認してみるイメージです。
そこで改善の余地がありそうなら、就業規則や運用ルールの見直しを、会社側と一緒に進めていく形もありえます。一方で、「話しても全く改善の気配がない」「そもそも説明と違うことを悪びれずにやっている」という場合は、労働基準監督署や自治体の総合労働相談コーナーなど、公的な窓口に相談する選択肢も視野に入れていいと思います。
このあたりの判断は、会社の規模や文化、あなた自身のキャリアプランによって最適解が変わります。ここで書いている内容はあくまで一般論なので、具体的なトラブルや法的な線引きが気になる場合は、必ず最新の情報を公式サイトで確認しつつ、最終的な判断は社会保険労務士や弁護士などの専門家に相談してもらうのが安心です。
年間休日120日以上求人の見方
「120日以上」に飛びつかないために
「年間休日120日以上」「年間休日125日以上」といった表記は、転職サイトでも本当によく見かけます。数字だけ見ると、「お、ここはホワイトかも」と思いたくなりますよね。気持ちはめちゃくちゃ分かります。でも、これまで見てきたように、年間休日の数字はあくまで“入り口の指標”です。
私が求職者の方にいつもお伝えしているのは、「年間休日の数字を見たら、必ずセットで“平日の余裕”と“有給の取りやすさ”も確認しよう」ということです。休みの数だけが多くても、平日に毎日終電近くまで働いていると、トータルの自由時間はそんなに増えません。逆に、年間休日110日でも、定時帰りが多くて有給もちゃんと取れるなら、かなりゆとりのある生活になる場合もあります。
求人票でチェックしておきたい項目
具体的に、年間休日120日以上の求人を見るときは、次の3点をチェックしてみてください。
求人票に全部が書かれていることは少ないので、気になる部分は面接やカジュアル面談で直接質問してOKです。「年間休日120日以上とのことですが、祝日や年末年始、夏季休暇はどのような内訳でしょうか?」「残業時間の平均と、繁忙期の最大値はどのくらいですか?」といった聞き方をすると、会社側の誠実さも見えやすくなります。
生活費とセットで考える発想
もう一つ大事なのが、「休日数」と「生活費」のバランスです。年間休日120日以上の会社は、平均より条件が良い分、競争率が高かったり、給与水準が抑えめだったりするケースもあります。逆に、年間休日110日〜115日くらいでも、給与が高めで、ある程度残業があることを前提に収入を増やしたい人にとっては「ちょうどいい」会社もあります。
「休日は増やしたいけど、手取りや生活費が心配…」という場合は、休みの使い方もセットで考えてみると、選択の幅が広がります。例えば、ランチ代を抑えて固定費を軽くしたいときは、同じTOPIC BLEND内の業務スーパーを使ったお昼ご飯の節約ガイドのように、日々の支出を見直すヒントも合わせてチェックしてみると、「年間休日は少し妥協して、その分給料を上げる」「逆に給料はほどほどでいいから、休みをしっかり確保する」といった判断がしやすくなりますよ。
年間休日120日以上という数字は、「休みやすい設計がされている可能性が高い会社の候補リスト」くらいの位置づけにしておくのが安心です。そのうえで、面接やカジュアル面談で、繁忙期の運用や残業時間、有給の取りやすさ、在宅勤務の有無などを具体的に聞きながら、「自分にとっての働きやすさ」を一緒に検討していきましょう。
年間休日120日義務化は実現するのか?

ここからは、もう一歩踏み込んで「将来的に年間休日120日義務化はあり得るのか?」という視点で、2026年前後に予定されている労働基準法改正の議論とセットで整理していきます。キーワードは、勤務間インターバル制度、13日を超える連続勤務の禁止、そしてつながらない権利です。法律の話になると少し難しく感じるかもしれませんが、あなたの働き方にどう関わるのか、できるだけかみ砕いてお伝えしていきますね。
年間休日120日義務化の誤解
今ある法律が求めているのは何か
まず、現時点でハッキリ言えるのは、「年間休日120日義務化」という法律は存在していないということです。労働基準法が企業に求めているのは、「毎週少なくとも1日、または4週間で4日以上の休日を与えること」(第35条)であって、「年間〇日休ませなさい」という形式のルールではありません。理論上は、年間52日の休日(週1日休み)でも、一定の条件を満たしていれば法律違反とは言い切れない構造になっています。
じゃあ、なぜ「年間休日120日義務化」というワードがネット上でここまで広がったのか。背景には、働き方改革関連法で残業時間の上限規制や年5日の有給取得義務が導入されたこと、大手企業を中心に週休3日制や年間休日120日以上の導入ニュースが増えたことなど、いくつかのニュースが混ざり合っていると感じます。「いずれは120日くらいが当たり前になるんじゃないか」という期待が、一人歩きしている面もありますね。
法改正の方向性は「休み方の質」
実際の法改正の議論を追っていくと、今のところは「年間休日120日そのものを義務化する」というより、長時間労働を防ぐために“休息の質”を法律で守る方向性が強いです。これが、勤務間インターバル制度や連続勤務の上限規制といったキーワードにつながっていきます。
イメージとしては、「とにかくたくさん休みを増やしましょう」ではなく、「働く日はしっかり働いて、その代わり、1日の終わりから次の仕事までの休息と、一定期間ごとのまとまった休みをきちんと確保しましょう」という発想です。結果として、年間休日が増える会社も出てくるけれど、それはあくまで「時間の使い方を見直した結果としての副産物」に近いイメージですね。
なので、「120日義務化が来るまで今の会社で我慢しよう」というよりも、「法律の流れとしては、これからもっと休息の確保が重視される」「その流れに乗って変わろうとしている会社と、踏みとどまっている会社がある」という視点で、自分の環境を眺めてみるのがおすすめです。
年間休日105日違法か合法か
結論は「数字だけでは判断できない」
「うちの会社は年間休日105日なんだけど、これって違法ですか?」という相談は、実際にとても多いです。これに対する私の結論は、「年間休日105日という数字だけを見ても、違法とも合法とも言えない」というものです。法律上の判断は、年間休日の数字だけではなく、「所定労働時間」「残業時間」「休日出勤」「36協定の内容」など、いくつもの要素をセットで見ていく必要があります。
チェックするべき3つのポイント
ざっくり言うと、次の3つがポイントです。
たとえば、年間休日105日で1日7.5時間労働・残業ほぼなしの会社と、年間休日120日で1日8時間労働・残業月40時間・休日出勤も多めの会社では、トータルの負荷がまったく違いますよね。法律的にも、健康管理の観点でも、本当に見るべきは「総労働時間と休息の確保状況」であって、「年間休日の数字そのもの」ではありません。
もし今の会社が明らかにしんどいと感じているなら、「年間休日105日だからダメ」というより、「自分が実際にどれくらいの時間、仕事に拘束されているか」を一度冷静に書き出してみるのがおすすめです。そのうえで、労働基準監督署や社労士・弁護士に相談すると、かなり具体的なアドバイスをもらいやすくなります。ここで書いている話はあくまで一般論なので、最終判断は必ず専門家に委ねてくださいね。
「違法っぽい」と感じたときのステップ
「これはさすがにまずいのでは…」と感じるとき、いきなり会社とケンカするのはリスクが高いので、次のステップを踏むイメージで動いてみてください。
- まずは、自分の労働時間・休日出勤の実態をできるだけ正確にメモしておく
- 就業規則や雇用契約書、36協定の内容(社内掲示されていることが多い)を確認する
- 信頼できる上長や人事担当者に、現状への違和感を共有してみる
- それでも改善が見込めなければ、労働基準監督署や総合労働相談コーナーに相談する
会社との関係性や、あなたがどこまで今の職場にとどまりたいかによっても、ベストな動き方は変わります。無理に一人で抱え込まず、第三者の視点を借りながら、自分の心と体を守る選択を優先してもらえたらなと思います。
年間休日数と勤務間インターバル
勤務間インターバル制度って何?
2026年前後の労働基準法改正の議論で、特に注目されているのが「勤務間インターバル制度」の義務化です。勤務間インターバル制度とは、1日の仕事が終わってから、次の仕事が始まるまでの間に、一定時間以上の休息を必ず確保しましょうという仕組みです。
欧州ではかなり前から導入されている考え方で、「終業から始業まで11時間以上の休息を確保する」といった具体的な基準が広く採用されています。日本でも、これまでは努力義務レベルでの導入が進められてきましたが、2026年以降は「原則11時間、最低でも9時間くらいを義務付けよう」という方向での議論が進んでいます。
インターバル制度が入ると何が変わるか
仮に「勤務間インターバル11時間」が法律で義務化されたとします。例えば、夜23時に仕事が終わった場合、次の日に出社できるのは原則として朝10時以降になります。もし会社が9時始業だとすると、「昨日23時まで働いた人は、今日は10時始業にズラさないといけない」という運用が必要になるわけです。
これは、今まで「終電まで働いて、翌日も普通に9時出社」といった働き方をしていた会社にとっては、かなり大きなインパクトです。結果として、以下のような対応が求められる可能性が高いです。
- 深夜残業を前提にしたスケジュールを見直し、残業そのものを減らしていく
- 始業時刻を柔軟にずらせるように、シフト制やフレックス制を拡大していく
- そもそもの仕事量や人員配置を見直して、「誰かが無理をして回す」前提をやめていく
こうした流れが進むと、結果的に「年間休日が増える」会社も出てくるはずです。勤務間インターバルを守るためには、長時間労働を抑えざるを得ないので、年間の総労働時間を減らすために休日を増やす、という方向に舵を切る会社も出てくるだろうなと感じています。
連続勤務の上限・法定休日の特定
勤務間インターバルとセットで議論されているのが、「13日を超える連続勤務の禁止」や「法定休日をあらかじめ特定して明示する義務」です。今の法律では、4週間で4日以上休ませればOKという変形休日制があるため、理論上は月初に4日休ませて、残りの24日を連続勤務させる、といった極端なシフトも不可能ではありません。
これに対して、「どれだけ変則シフトでも、14日以上の連続勤務はNG」「週に1日は、35%増の割増賃金が発生する“法定休日”としてカレンダー上で特定しなさい」といった方向でルールを明確化しよう、という動きが出てきています。これが実現すると、「とりあえず法的にはセーフだから長時間労働させる」といった運用は、かなりやりにくくなっていくでしょう。
もちろん、これらは現時点ではまだ案の段階であり、最終的にどのような形で法律に落とし込まれるかは今後の国会審議次第です。最新の情報は、必ず厚生労働省など公的機関の公式サイトでチェックしてもらうのが安全です。
年間休日120日とホワイト企業

「120日=ホワイト」は半分だけ正しい
「年間休日120日はホワイト企業の条件ですか?」と聞かれると、私の答えは「半分だけイエスで、半分はノー」です。というのも、年間休日120日前後を確保している会社は、統計的には平均より条件が良いのは事実ですが、その中には「残業多めだけど給料が高い」「残業少なくて給与は控えめ」など、いろいろなパターンが混ざっているからです。
ホワイト企業かどうかを判断するうえで、年間休日120日は確かに大きなプラス要素になります。ただ、それだけで「ここは絶対ホワイト」と決めてしまうのは危険で、「ホワイトかどうかを見るチェックポイントのひとつ」くらいの位置づけがちょうどいいと思っています。
ホワイト企業を見る4つの観点
私が相談を受けるときによく使うのは、次の4つの観点です。
- 休日の質:年間休日の数と内訳(固定休かシフトか、祝日の扱い、長期休暇の有無)
- 労働時間の質:平均残業時間、繁忙期のピーク、残業代の支払い方(固定残業か、実残業か)
- 休暇の取りやすさ:有給の取得率、連休化のしやすさ、病気や家族の事情での休みやすさ
- 働き方の柔軟性:リモートワーク、フレックス、副業可否、異動やジョブチェンジの選択肢
年間休日120日の会社でも、「繁忙期は毎日終電で、土日も結局仕事のことを考えている」「有給を取ろうとすると嫌な顔をされる」といった状況だと、体感としてはかなりブラック寄りです。一方で、年間休日115日くらいでも、「残業ほぼなし・リモート中心・有給も取りやすい」といった会社なら、生活の満足度はかなり高くなるはずです。
「休日の使い方」までセットで考える
もう一つ、私が大事だと思っているのが、「休日の数」だけでなく、「休日の使い方」もセットで考えることです。年間休日120日あるのに、何となくダラダラ過ごしてしまって「気づいたら月曜日…」という状態が続くと、せっかくの条件がもったいないですよね。
例えば、休日の一部を副業や趣味の活動に当てることで、収入を増やしたり、新しいスキルを身につけたりすることもできます。TOPIC BLENDでは、ちょっとニッチですがヘラクレスオオカブトの繁殖で副収入を得るリアル解説のような記事も扱っていて、「そんな世界もあるのか…」と視野を広げるきっかけにもなります。
年間休日120日という条件は、「自分の時間をどうデザインするか」を考えるための土台みたいなものです。ホワイト企業かどうかを見極めると同時に、その環境を手に入れたときに自分が何をしたいのかも、少しずつイメージしておくと、転職活動の軸もブレにくくなりますよ。
年間休日120日義務化議論の結論
義務化そのものより「流れ」を見る
最後に、年間休日120日義務化を巡る議論について、私なりの結論をまとめます。現時点ではっきり言えるのは、「年間休日120日義務化」という法制度は存在しておらず、すぐに「全ての会社が年間休日120日以上にしなければならない」世界になるわけではないということです。
一方で、勤務間インターバル制度の義務化や、13日を超える連続勤務の禁止、法定休日の特定義務、さらには「つながらない権利」(勤務時間外や休日に仕事の連絡に対応しない権利)といった議論が進んでおり、「長時間労働を前提にした働かせ方から、休息をきちんと守る働かせ方へ」という大きな流れができつつあります。
企業側にかかるプレッシャーと選別
こうした流れの中で、企業側には次のようなプレッシャーがかかってくると考えています。
この流れにうまく乗っていける会社は、「休みが取りやすい・残業が少ない・働きやすい」環境を武器に、採用市場での競争力を高めていくはずです。逆に、いつまでも旧来型の働かせ方にこだわる会社は、法規制と採用難のダブルパンチを受けて、淘汰されていくリスクが高まっていきます。
あなたが今できる具体的なアクション
あなたの立場から見ると、年間休日120日義務化のニュースをただ待つよりも、「今の職場の休み方」と「数年先に自分が欲しい働き方」を早めにすり合わせておくことが重要になってきます。具体的には、次のようなアクションを考えてみてください。
このページで触れた法改正や統計データは、執筆時点の公表情報をベースにした一般的な目安です。今後の国会審議や政省令で内容が変わる可能性もあります。正確な情報は必ず厚生労働省などの公式サイトでご確認ください。また、あなたの会社の状況が法律に照らしてどうなのか、具体的なトラブルにどう対応すべきかといった点については、最終的な判断を社会保険労務士や弁護士などの専門家にご相談ください。そのうえで、年間休日120日義務化という言葉に振り回されすぎず、「自分がどんなペースで働き、どんな時間を増やしたいのか」を軸に、納得感のあるキャリア設計をしていきましょう。


