本記事では、世界一長い国名の正式名称を、昔と今で比較しながらランキングでご紹介します。
結論から言うと、現時点で最長は「The United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland」です。
そして今回、各国の英語名には、日本語の読み方（カタカナ）を併記しました。
世界一長い国名、昔と今、ランキング、正式名称、フルネーム。
この記事のポイント
- 基準は英語の公式長称を採用。
スペースを含めた文字数で比較します。 - 「今の最長」と「昔の長名」を分けて、読みやすく整理します。
- 英語が苦手でも安心。
各国名にカタカナの読みを併記しました。 - 出典は国連や政府・百科事典にリンク。
誤解のない解説を心がけます。
世界一長い国名とは？ 数え方と前提を先に確認
評価基準を揃えることで、ランキングの妥当性が上がります。
定義は「英語の公式長称（long form）」を使用
国名には、短称と長称が併存します。
例えば、イギリスの短称は United Kingdom、長称は The United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland です。
本記事では、国連や各国政府、CIA World Factbook に準拠した英語の公式長称を基準にします。
参考: 国連「加盟国の公式名称一覧（PDF）」。
文字数はスペースを含めてカウント
文字数はスペースを含めてカウントします。
ハイフンやアポストロフィは文字として数えます。
ただし、英語の表記ゆれやアクセント記号の扱いで、媒体により微差が出ることがあります。
僅差の場合は、同率扱いとする旨を明記します。
対象は「主権国家」の国名
首都や自治領、歴史的地域の長い名称は対象外です。
例として、バンコクの儀礼的な超長名は都市名であり、国名ではありません。
本記事のランキングには含めません。
典型パターンを把握すると覚えやすい
長い国名には、一定のパターンがあります。
代表語として、Democratic、Republic、Kingdom、United、People’s、Socialist、Federal、Islamic、Plurinational などが頻出します。
これらの語が複数連結されるほど、名称は長くなる傾向があります。
紛らわしい長名の代表例（都市名）
タイの首都は、通称バンコクですが、儀礼的なフルネームが世界最長の都市名として知られます。
紹介用リンク: バンコク（Wikipedia）。
ただし、これは国名ではない点に注意してください。
世界一長い国名 ランキング（最新版）
現在有効な英語の公式長称で、長い順に並べます。
1位 The United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland
ザ・ユナイテッド・キングダム・オブ・グレート・ブリテン・アンド・ノーザン・アイルランドと読みます。
英語の公式長称として、現在もっとも長い国名です。
スペース込みで 56 文字程度になり、他国より頭ひとつ抜けています。
由来は、イングランド、スコットランド、ウェールズ、そして北アイルランドの連合を表すためです。
参考: United Kingdom（Wikipedia）。
2位 Democratic Republic of São Tomé and Príncipe
デモクラティック・リパブリック・オブ・サントメ・アンド・プリンシペと読みます。
サントメ・プリンシペの英語長称は長く、語数も多い部類に入ります。
公式名称の確認は、各種公的資料で可能です。
参考: Britannica。
3位 Democratic Socialist Republic of Sri Lanka
デモクラティック・ソーシャリスト・リパブリック・オブ・スリ・ランカと読みます。
スリランカの英語長称は、Democratic、Socialist、Republic と連なる構造で長さが出ます。
自国政府サイトにも「Conventional long form」として明記があります。
参考: Gov.lk（国概要）。
4位 Democratic People’s Republic of Korea
デモクラティック・ピープルズ・リパブリック・オブ・コリアと読みます。
略称 DPRK の元になっている長称です。
語数が多く、全体の文字数も長めになります。
参考: 国連・公式名称一覧。
5位 Independent State of Papua New Guinea
インディペンデント・ステイト・オブ・パプア・ニュー・ギニアと読みます。
パプアニューギニアは、Independent、State と続くため、短称より大幅に長くなります。
参考: CIA World Factbook（国名項目）。
6位 Republic of the Union of Myanmar
リパブリック・オブ・ザ・ユニオン・オブ・ミャンマーと読みます。
ミャンマーの英語長称は、Republic、Union の二語が連なるため比較的長くなります。
参考: 国連・公式名称一覧。
次点
Lao People’s Democratic Republic （ラオ・ピープルズ・デモクラティック・リパブリック）
ラオスの長称は People’s と Democratic の二語構成で長い部類です。
Plurinational State of Bolivia （プルリナショナル・ステイト・オブ・ボリビア）
ボリビアの長称は、語数は少なめですが、最初の語が長く、全体としても長めになります。
参考: 欧州委・ラオス国名表記、Bolivia（Wikipedia）。
注記：文字数はスペース等の取り扱いにより資料間で微差が出ます。
1～6位の相対順位は各公的資料の表記で検証し、僅差は同率とみなす場合があります。
世界一長い国名 昔のランキング（歴史・暫定名）
現在は使われないが、かつて長かった「国名」や国際機関での暫定呼称です。
Great Socialist People’s Libyan Arab Jamahiriya
グレート・ソーシャリスト・ピープルズ・リビアン・アラブ・ジャマーヒリーヤ（1986–2011）
リビアのカダフィ政権期には、国名が段階的に変化しました。
1977 年に Socialist People’s Libyan Arab Jamahiriya、1986 年に Great Socialist People’s Libyan Arab Jamahiriya と改称され、非常に長い名称になりました。
参考: History of Libya under Muammar Gaddafi。
The former Yugoslav Republic of Macedonia
ザ・フォーマー・ユーゴスラブ・リパブリック・オブ・マケドニア（1993–2019／国連での暫定呼称）
現在の北マケドニアは、国名を巡る合意が成立するまで、国連などで暫定的にこの長名で呼ばれていました。
2019 年のプレスパ合意を経て、正式に North Macedonia に移行しています。
参考: 欧州評議会・解説、Macedonia naming dispute。
Socialist Federal Republic of Yugoslavia
ソーシャリスト・フェデラル・リパブリック・オブ・ユーゴスラビア（1963–1992）
第二次世界大戦後に成立したユーゴスラビアは、1963 年の改憲でこの長名へと改称しました。
連邦かつ社会主義の性格を、国名が端的に示しています。
参考: Britannica。
United Kingdom of Great Britain and Ireland
ユナイテッド・キングダム・オブ・グレート・ブリテン・アンド・アイルランド（1801–1927）
1927 年に現行の United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland に改称されるまでは、Ireland を含む旧名が使われました。
歴史上も長い国名の代表例です。
参考: United Kingdom of Great Britain and Ireland。
People’s Democratic Republic of Yemen
ピープルズ・デモクラティック・リパブリック・オブ・イエメン（1967–1990）
南イエメンは独立後、この長名を名乗りました。
1990 年に北イエメンと統一し、Republic of Yemen となっています。
参考: 米国・国務省 歴史資料。
Czechoslovak Socialist Republic
チェコスロヴァク・ソーシャリスト・リパブリック（1960–1990）
チェコスロバキアは、社会主義体制期にこの長名を正式国名として用いました。
その後、体制転換により国名も変遷しています。
参考: Wikipedia。
注記：ここでの「昔」は、歴史的に使用されていた正式国名、または国際機関での暫定呼称を含みます。
現在は無効、もしくは変更済みの名称です。
世界一長い国名をもっと楽しむ：小ネタと補足
雑学的な観点から、読み物としての面白さも加えます。
「都市名の最長」は別物。 バンコクの超長名
バンコクの儀礼的フルネームは、世界最長の都市名としてしばしば紹介されます。
ただし、これは国名ではありません。
首都の長名は文化的背景を反映しており、国名の比較とは切り離して楽しむのがよいでしょう。
なぜ「長い国名」は生まれるのか
長い国名は、歴史的経緯や体制、統合の事実を一つの名称に織り込むために生まれます。
United、Federal、Republic、Kingdom などの語は、国家の構成や制度を端的に説明します。
政治体制の変更、連邦化、統合や分離が起こるたびに、国名は更新され、長くなることがあります。
実務では短称が好まれるが、条約や法令では長称が重要
日常の報道やビジネス文書では短称が便利です。
しかし、条約名や外交文書、企業のコンプライアンス文書では、長称の正確さが重視されます。
正式名称を確認する際は、国連の一覧や各国政府の公式サイトを参照するのが安全です。
FAQ｜世界一長い国名についてよくある質問
はい。
国際比較の一貫性を担保するため、本記事では英語の公式長称（long form）を採用しています。
国連の「加盟国の公式名称一覧」や、各国政府・Factbook の記載を優先して参照しています。
参考: 国連・公式名称一覧（PDF）。
入りません。
それは都市名の儀礼的長名で、国名ランキングの対象外です。
ただし、豆知識としては面白いので本文で補足しました。
スペースやアクセント記号、アポストロフィの扱い、表記ゆれが原因です。
微差の範囲では同率扱いとするのが現実的です。
本記事も、その考え方に基づいています。
まとめ｜世界一長い国名のポイントをおさらい
世界一長い国名を比べるときは、「英語の公式長称」を共通ルールにします。
文字数はスペースやハイフン、アポストロフィも数えます。
都市名の超長名や国連での暫定呼称は、目的に応じて対象外にします。
長くなる理由は、国家の体制や連合を示す語が積み重なるからです。
よく出る語は United、Republic、Kingdom、Democratic、People’s、Independent など。
迷ったら国連や各国政府サイト、CIA Factbook などの一次資料で確認しましょう。
この“数え方のルール”と“語のパターン”を押さえれば、ランキングの見方と理解がぐっと楽になりますよ。
